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長谷川等伯と水墨画

2019年4月5日(金)~6月2日(日)
月曜休館 ※ただし、4月29日、5月6日(月・祝)は開館

墨の濃淡が画面に無限の奥行きと広がりをもたらす水墨画。中国を発祥とするこの斬新な絵画表現は日本にも伝播し、独自の表現美を獲得しました。この立役者として欠くことのできない画家が、日本独自の感性に基づく水墨表現を切りひらいた長谷川等伯(はせがわとうはく)(1539 - 1610)です。能登に生まれた一介の地方絵師に過ぎなかった等伯は、33歳の頃に京に上り、画壇の中心的存在にまで昇りつめた画家です。等伯は、中国の水墨画に見られる光や大気の表現を学習しながら、そこに日本人の感性に根差した繊細な情趣を加えることで、独自の画境を切りひらきました。
本展では等伯の水墨画と、その次世代である長谷川派の作品を中心に、日本・中国の名品を交え、伝統を基盤としながらも新たなる風を興した等伯の創作の源に迫りつつ、その遺風を受け継いだ水墨画の多様なすがたに迫ります。

第1章 長谷川等伯と桃山の美

桃山時代は日本独自の水墨表現が飛躍的に進展した時代です。その中でも特に重要な画家のひとりに、長谷川等伯(はせがわとうはく)(1539 - 1610)がいます。能登より京都に上った等伯は、大徳寺や豊臣秀吉の後ろ盾のもと、華々しい活躍を見せてゆきます。その作品に見られる湿潤な空気感と微妙な光の演出は、中国の絵画に影響を受けています。その一方で、身近な事物を対象に描くなど、日本独自の感性に寄り添った作品を作ってゆきました。ここでは、等伯、そして等伯の跡を継ぐ長谷川派の作品を、志野織部といった同時代の陶磁器とあわせてご紹介します。

松に鴉・柳に白鷺図屏風

長谷川等伯 桃山時代 出光美術館

【4/5〜5/12展示】

第2章 水墨の精華 ─中国、室町の水墨画─

水墨画の革新は、等伯のみによって生み出されたものではありません。この絵画表現を生み出した中国では、雄大な山水を主題とする作品が数多く描かれました。また日本で水墨画が本格的に描かれ始めた室町時代には、花鳥、山水、そして仏画に至るまで、ヴァリエーションに富んだ表現を見て取ることができます。ここでは、中国で描かれた大画面の山水画や、室町時代の水墨の多様な美の様相をご覧いただきます。

白鷹図

土岐富景 室町時代 出光美術館

【4/5〜5/12展示】

第3章 清雅なる墨 ─文人画の世界─

近世に入ると、水墨表現はさらに多様な展開を見せてゆきます。江戸時代中期になると、"かすれ" というまったく新しい水墨表現を駆使する文人画が、中国から新たに紹介されます。ここでは、日本の文人画を代表する浦上玉堂をはじめ、諸流派を学び独自の画風を創り出した山本梅逸や谷文晁、さらには九州で花開いた豊後南画の画家である田能村竹田、その弟子である高橋草坪・帆足杏雨などの作品を見ていきます。

風雨渡江図

谷文晁 文政8年(1825) 出光美術館

【5/14〜6/2展示】

第4章 うつわの中の水墨 ─絵唐津の美─

「かざりの黄金時代」といわれた桃山時代には、工芸にも華麗な装飾がほどこされました。16世紀末には朝鮮半島からの技術伝播によって、美濃や肥前の窯で、鉄分を含む顔料を染み込ませた筆で器面に直接文様を描く、「絵付け」の技法を駆使したうつわが生み出されました。この中でも、褐色の素地に強い筆さばきの絵付けがほどこされる古唐津の鉄絵は、等伯の水墨画にも通じる大胆さと余情を感じさせます。時代の気宇を物語る、躍動感にあふれたうつわの中の水墨をお楽しみください。

イベント情報

列品解説のお知らせ 
事前の申し込みは不要・入館料のみ

2019年
414(日)、
428(日)、
512(日)、
526(日)

第2、第4日曜日

いずれも午前11時、午後2時より

講演会のお知らせ 
事前の申し込みが必要/定員制・有料

日時
5月11日(土)午後2時~3時30分
演題
「等伯 ー 伝統と革新の水墨」
講師
田中伝(出光佐三記念美術館主任学芸員)
会場
当館イベントホール
定員
120名
聴講料
800円

定員になり次第締め切らせていただきます。
電話でお問い合わせください。