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魅惑の唐三彩─ シルクロードの恵み
2023年4月21日(金)~6月25日(日)
月曜休館
展覧会概要
華やかな装飾や鮮やかな色彩が特徴の唐三彩。中国陶磁を代表するやきものの一つです。唐時代(618-907)の王侯貴族たちの墓を彩る副葬品として主に作られた唐三彩ですが、シルクロードを通した東西文化交流を象徴する美術作品としても高く評価されています。生き生きとした表情の人物や砂漠やオアシスを歩んでいたであろう駱駝や馬の俑(よう)、西アジアから伝わった宝石や金銀器に影響を受けたうつわなど、唐三彩を中心に当時の国際色溢れる美の世界へ誘います。

第1章 唐三彩への道
中国・唐王朝(618-907)の時代を代表するやきもの、唐三彩。その誕生は唐王朝になり突然生まれた!というよりは、長い中国の陶磁史のなかで、徐々に生みだされた技術や様式を結集させたものといえます。
本章では、唐三彩のカラフルな色の基となっている鉛釉の作品の歴史や、戦国・秦漢時代頃には本格的にはじまっていたシルクロードを介した交流を紐解く作品を紹介し、唐三彩が生まれた道程をご紹介します。

褐釉犬 中国
後漢時代 出光美術館
第2章 リアルな造形が語りかけるシルクロードの情緒
唐三彩には、人物や動物・建築物をかたどった俑と壺・瓶・皿などの生活用品をかたどったものとがあります。死後の世界での豊かな暮らしを願って作られたこれらの作品は、唐時代を表す百科全書とも称されます。
本章では人物と動物の俑を見ていきます。人物俑の生き生きとした造形は、大唐帝国の豊かさを今に伝えます。また異国情緒あふれる風貌の人々や、東西交流の歩みを支えた駱駝や馬たちは、シルクロードの風を伝えてくれます。

三彩女子 中国
唐時代 出光美術館
第3章 装飾豊かなうつわの表現
人物や動物俑にも負けないほど、お墓の副葬用の壺・瓶・皿類もカラフルな色彩や異国情緒あふれる装飾的なデザインなものが作られました。なかには高級品の金銀器やガラス作品の造形や意匠をやきものに取り入れているものも見られます。日常品としてはほとんど使用しないにもかかわらず、丁寧かつ華麗に飾ったうつわの表現は、まさに繁栄する唐王朝の貴族たちの優雅な暮らしを物語っています。

三彩貼花騎馬人物文水注 中国
唐時代 出光美術館
第4章 受け継がれる唐三彩のDNA
唐王朝の末期には唐三彩の流行は終焉を迎えますがその周辺の遼王朝(916-1125)や、時代が下った明・清時代でも三彩の雰囲気を有するやきものが作られます。唐三彩とは必ずしも同じ技術ではありませんがその地域や時代に沿った三彩の美しさが見てとれるのです。また唐三彩は朝鮮半島や日本にまで流通していたことが考古学の発掘調査で明らかになっています。唐三彩のDNAは国・地域、時代を超えて広がっていたのです。

法花牡丹文梅瓶 中国
明時代 出光美術館
※列品解説・講演会などの展覧会イベントは中止します
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