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陶磁の東西交流

2024年1月12日(金)~3月24日(日)
月曜休館 ※2月12日(月)は開館

展覧会概要

珍しい造形や異国情緒溢れるデザイン。陶磁器はバラエティーに富み、人々の生活を豊かにしてきました。それらは地域の文化や風土に根ざすだけでなく、アジア、ヨーロッパと人々が交流を重ね、互いに美しい装飾や技術に惹かれあうことで、魅力的な文化も創造してきました。日本や中国の陶磁、イスラーム陶器、マイセンやセーブルなど、東西の交流を通して生み出された陶磁器をご紹介します。

第1章  造形からみる東西交流 ─地中海・シルクロードの時代

地域や国境を越えた人々の交易は、ローマが地中海地域で覇権を樹立したことによりひとつの盛期を迎えます。交易は遠方の都市や人々、延いては文化を結びつけ、新たな創造を生むきっかけともなりました。
やがて交易は様々な王朝の興亡を経てアジア地域へと繋がっていきます。オアシス都市を経由して中央アジアを横断する「シルクロード」(別称「オアシスの道」)やユーラシア・ステップを通る「草原の道」、さらに中国南海からインド洋、アラビア半島へと至る「陶磁の道」(いわゆる海の道・海のシルクロード)なども知られています。
本章では、これら交易の様相を、陶磁器や金銀器、ガラス製器の形や文様の共通性から紐解きます。

青花牡丹唐草文八角燭台 景徳鎮官窯 中国 明・永楽時代 出光美術館

第2章  海を渡った陶磁の交流 ─東インド会社の時代

大航海時代をむかえた15世紀以降、インドにいたる航路を開拓したヨーロッパ各国は、東南アジア・東アジアに進出します。このとき各国で組織された貿易会社が「東インド会社」です。とくにオランダ東インド会社による活動は、ほぼ17世紀を通じて、ヨーロッパ勢力のなかでも大きな役割を果たしました。
日本においては、柿右衛門や古伊万里といった有田地域で生産されたヨーロッパ向けの輸出陶磁がオランダ東インド会社によって運ばれていました。いまだ磁器の生産が困難であった17~18世紀のヨーロッパでは、東洋の磁器を「白き黄金」と呼ぶほど貴重なものとしており、各国の王侯貴族たちは日本の陶磁器を争うように求めていたのです。 本章ではヨーロッパで愛好された日本陶磁と、これに倣い生産されたヨーロッパ各国のやきものをご紹介します。

色絵傘持美人文皿 古伊万里 日本 江戸時代中期 出光美術館

特集  継ぐ「かたち」 ―扁壺からみる東西交流

扁壺と称される丸く扁平な形姿をした壺は、東西交流の歴史をありありと物語っています。陶磁器や金属器で作られる扁壺は、古くは西アジアや古代エジプト、中国では紀元前の戦国時代頃からすでにみられる古い造形ですが、元・明時代の中国磁器が盛んに交易品として流通した結果、世界各地でも生産されるようになりました。造形や文様が共通しながらも、時代や地域、文化によって様々に変化していった扁壺を特集します。

青花吉祥文扁壺 景徳鎮窯 中国 清「大清乾隆年製」銘 出光美術館

※列品解説・講演会などの展覧会イベントはございません
※会期・開館時間・出品作品等は変更することがあります。最新情報は当館ウェブサイトまたはお電話でご確認ください