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開館25周年記念
出光美術館やきもの名品展
2026年1月17日(土)~3月22日(日)
月曜休館 ※ただし2月23日(月・祝)は開館
展覧会概要
出光美術館のコレクションの核は陶磁器であり、日本陶磁に加えて世界的にも良質な中国陶磁や朝鮮陶磁、また東西の交流をよく表すヨーロッパの陶磁器を所蔵していることで知られています。本展では古唐津をはじめ、重要文化財の野々村仁清や柿右衛門の色絵作品、唐三彩や宋時代の青磁、元染付、明清時代の宮廷のうつわである景徳鎮官窯といった中国陶磁、高麗青磁や朝鮮王朝時代の白磁など、出光美術館で最も充実した分野の作品を選りすぐり、地域・時代別に展観し陶磁器の面白さ、魅力をご紹介します。

第1章 日本陶磁
日本のやきもの文化は、中国や朝鮮のやきものに学びながらも、日本の風土や人びとの感性を重ね合わせ独自の美を育んできました。
弥生土器や猿投窯には、朝鮮半島からの技術の影響が見られ、平安時代以降のやきものには、中国陶磁の洗練された造形や美の要素が取り入れられています。
一方で、日本のやきものは、茶の湯に象徴されるように、日本特有の美意識のもと、実用を超えた心を映す造形としても発展していきました。また近世以降では、各地の窯で生まれた多彩なうつわが、地域に根ざした個性を示し、日本陶磁の豊かで奥深い世界を形づくりました。

絵唐津柿文三耳壺
唐津 桃山時代 重要文化財 出光美術館蔵
第2章 朝鮮陶磁
朝鮮半島のやきものは、高麗時代の青磁、朝鮮王朝時代の白磁や青花(染付)に代表されます。高麗青磁は、中国・宋時代の人びとに「天下第一」とたたえられるほど精緻な美へと至り、また象嵌(別色の土をはめ込んで文様を描く技法)が特に発達しました。
朝鮮王朝時代には、白磁の清らかな美を基調としながら、鉄砂や青花によるやわらかな文様が生まれ、静けさと温かみをそなえた独特の世界を築きました。気品と素朴さが調和するその造形は、朝鮮陶磁の魅力として人々を惹きつけています。

青磁陰刻牡丹唐草文瓢形水注・承盤
朝鮮 高麗時代 出光美術館蔵
第3章 中国陶磁
中国のやきもの史は、世界のやきもの史の中軸と言っても過言ではないでしょう。唐時代には、緑・黄・白など華やかな色合いの唐三彩が流行し、続く宋元時代には、静謐な美しさが魅力である単色の陶磁器が極められ、さらに元時代には、白いうつわにコバルトで文様を描く青花が生まれました。それら豊かなデザインは後の時代はもとより、世界中に大きな影響を与えています。
明清時代になると、皇帝や宮廷のための陶磁器を生産する官窯が設けられ、当時の技術と美意識の粋を集めた精巧な作品が数多く生み出されました。このように中国陶磁は、長い歴史の中で絶えず新しい美を生み出し、東アジアのやきもの文化の中心として輝き続けたのです。

琺瑯彩花卉文碗
景徳鎮官窯 中国 清「康熙御製」銘 出光美術館蔵
特集展示 名品、揃い踏み! ―出光コレクションの大壺
ここでは、出光美術館の陶磁器コレクションの中から、特に大壺の傑作をご紹介します。いずれも各時代を代表する逸品ばかりです。
それぞれの作品を見比べてみると、材質や技法、原料による色合いの差が見て取れますが、それは時代や地域、格式によって志向された美の結晶であるといえるでしょう。時代を超えた圧倒的な存在感、驚嘆の美技。―― 陶磁の豊かな表現世界を心ゆくまでお楽しみください。

青花龍文壺
景徳鎮官窯 中国 明「宣徳年製」銘 出光美術館蔵
第4章 東西交流
17~18世紀、有田地域(佐賀県)で生まれた柿右衛門や古伊万里は、主にヨーロッパへ盛んに輸出されていました。当時、東洋の陶磁器は、王侯貴族たちの宮殿を華やかに飾る装飾具として競って求められており、それらは自身の財力や権威の象徴でもあったのです。
磁器の自国生産が遅れていたヨーロッパ各国は、やがてその焼造技術を手にすると、こぞって柿右衛門や古伊万里の意匠を写した作品を制作します。こういった様子からも、いかに日本のやきものが愛好されていたかがわかります。
本章では、花盆文(花籠手)と呼ばれる文様を通して、世界のあちこちで交わされた美の交流の物語をご紹介します。

色絵菊花文輪花皿
ウースター窯 イギリス 18世紀 出光美術館蔵