併設展示室

出光美術館(門司)では展覧会の会場となる展示室以外にも併設展示のコーナーがあります。
※常設展示はございません。

出光佐三とそのコレクション

門司の地で出光商会を設立した出光佐三。傑出した実業家として名を残した佐三は、卓越した美術収集家でもありました。

19歳の学生であった佐三は、当時全国的にはそれほど知られていなかった仙厓の作品に出会い、父に頼んで手に入れました。記念すべき出光コレクション第1号です。また事業が軌道に乗り販路を大陸へと拡大していった1910年代後半には、満洲で中国陶磁を収集します。さらに戦時中には古唐津の枯淡な魅力にも開眼し、日本屈指のコレクションを築き上げました。こうした古美術収集の一方で、佐三は陶芸家の板谷波山、画家の小杉放菴といった同時代の作家たちとも交流を深め、その作品を収集していきました。

佐三の死後も出光コレクションは増え続けましたが、その中心となるのが佐三の収集品であることに間違いはありません。「いつも美にリードされてきた」と語った佐三の人生の軌跡を、彼の審美眼によって集められた作品を通してご覧いただきます。

出光創業史料室

出光美術館(門司)と同じ敷地内には、出光興産の創業者であり、出光美術館の創設者である出光佐三の生涯の軌跡を紹介する「出光創業史料室」を併設しています。

出光興産の創業者 出光佐三(1885-1981)は明治44年(1911)当地門司、現在の鎮西橋交差点近くに機械油の販売店「出光商会」を開店しました。創業当初は従業員数名の小さな店で、彼らからは親しみをこめて「店主」と呼ばれていました。今も出光の従業員や販売店の皆様からは「店主」と呼ばれています。
店主の生きた時代は日清、日露戦争に始まり、二度の世界大戦、戦後復興、経済大国への道とまさに激動の時代でしたが、店主は一貫して「人間尊重」という理念をかかげ、事業経営に取り組んできました。
出光創業史料室では「出光佐三の足跡―「人間尊重」の実践」として、7つのコーナーを設け、店主の足跡を紹介しています。